達人の働き方Vol.1 運営堂
 森野 誠之さん  ~前編~

運営堂代表 森野 誠之

Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。

運営堂代表 森野 誠之

Webマーケティング業界で活躍されている達人の働き方を、プリンシプル取締役副社長兼人事部長の木田 和廣がインタビュー。達人を目指す人たちに向けてメッセージを橋渡しする連載です。第1回目は、名古屋を拠点にフリーランスとして活躍されている運営堂 森野さんです。

木田:森野さんが毎朝欠かさず発信されているメルマガ「毎日堂」は、コロナ禍で影響ありましたか?

森野:年度替わりはいつも登録者数が増えていたんですが、今年は増えなかったですね。2020年6、7月に緊急事態宣言などが緩和されたころ、また登録が増えましたね。おそらく、世の中の人が対面で人と会いだして、口コミが広がり、登録が増えたんだと思います。

解除もあって、解除理由のデータはとっていないんですが、おそらく読むのが面倒臭くなったか、私のコメントが癪にさわったとか、読み切れないから、という理由かなと思っています。

木田:森野さんはメルマガを書くのに、どれだけの情報をインプットして、作ったのかなと想像すると、毎日堂を読み切れない自分が情けなく嫌な気分になるので、必ず読むようにしています(笑)
デジタルマーケティング業界での就職を目指している人、特に、東京以外の都市にいる人が森野さんのようになりたいと思っているかと思います。

木田:現在の森野さんのキャリアは、偶然なのか、計画してキャリアをつくってこられたのか、きかせてください。

森野:やりたいことがあったわけじゃないんです。やりたくないことをやらないようにして、こうなったんです。
いろんな仕事を何でもやってみて、しっくりこなかったら、やめると。しっくりこない仕事をしているのは会社にとっても自分にとってもよくないことですからね。次どれにしようかというとき、選択でなく、自分は順番で悩んだだけです。

最初は、総務をやったので、次は営業をやってみようと。転職してみようかと、転職し、半年くらい無職もやってみようかと、やってみたんです。
会社勤めがもっとも自分に合わなかったのは、納得のいかない指示に従わなないといけなかったのが嫌でしたね。やることがないのに、ずっといなきゃいけないっていうようなルールも合わなかったですね。

自分のペースでやってみたらどうなるんだろうと思い、独立してみました。いい方向に行こうとしたんじゃなくて、嫌な方向を避けていった感じですね。迷路の行き止まりをつぶした感じです。

木田:独立すると経済的に弱くなってきて、嫌な仕事もしなければならないときもあるんじゃないですか。

森野:「独立しようかな」と妻に言ったときに、「勤め人をやりながら、家で愚痴を言うくらいなら、独立していいから、その代わり楽しく働いて稼いで来てね」と言われました。

稼がないと生きていけないし、覚悟を決めてとにかくやるんだと思いましたね。

木田:嫌なことを消していくというのはおススメですか。

森野:そうですね、後悔がないです。これがいいと思って選ぶと、後悔するんですよ。あっちにしておけばよかったと思いますので。ダメな方を選ぶと、良くなかったから次いいだろうと、期待値が低いところから始まるんで、次の選択肢の方が楽しみになるんですよね。

木田:なるほど、消極的な良さを感じるんですね。
違うものに何回もぶつかると、心が折れてしまう子もいるんじゃないかと思いますが。

森野:ゲームでいうところの、スキルがどんどん増えているのだから、こんないいことはないだろうと思いますね。

木田:ゼロからスタートしても、次は5からスタートになりますから、自信つきますよね。

森野:総務を知っている営業だと、いろんな立場の人の気持ちがわかるようになって、良かったです。

木田:好きなことが見つかったという感じでしょうか。それとも、今も探していますか。

森野:ずっと続けていると、なんかもうこれはいいんじゃないかっていうのが出てくるので、その時に、辞めようとは考えています。あわせて、タネをちょいちょい撒いている感じです。
これはちょと避けたい、でも売上的にいい、どうしようかと、じゃあ、違う手法でどう稼ごうと思うわけです。

木田:フリーランスとして、一人で仕事をされていますが、人と組んで何かをしようと思ったことはありますか。

森野:一時期、2、3人でやっていたこともありますが、誰のためにやっているんだろうと思った瞬間、組織はつくれないんだと思いました。自分にとって、組織が大きくなるのが面白くなかったってことです。

木田:森野さんって正直ですよね。会社員時代の嫌なこと、不合理なことを徹底して避けておられる。

森野:嫌なことを消していくと、もう自分が嫌なことが明確にわかるので、これやったら、誰に対しても良くない結果しかでないというのがわかりますから、言うようにしていますね。やりたくないのを続けるのはあまり良くないので。

木田:巡り巡って、自分だけでなくお客さんにも良くないですよね。

森野:個人でやっているので、個人でやっていることはつまり他社でもやっていることでもあるので、自分がすべてやろうとは考えていません。

経歴

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。尊敬する人はゴルゴ13。愛知大学非常勤講師。

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前職では、統計解析ソフトSASのエンジニア・アナリストとして金融業界のクライアントを担当。2020年プリンシプルに入社。

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UI/UXデザイナー。新卒からインハウスWebデザイナーとして8年間活動。プリンシプルでは広告向けの制作全般、定性調査、UX改善提案を担当。

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株式会社デジタルラグーン 代表取締役。プリンシプル広告チームマネージャーを経て2021年より現職。大手流通企業へのWeb広告・Googleアナリティクスコンサルティング及び、クライアント先常駐経験を持つ。