達人の働き方Vol.2 運営堂
 森野 誠之さん ~ 後編 ~

運営堂代表 森野 誠之

Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。

運営堂代表 森野 誠之

Webマーケティング業界で活躍されている達人の働き方を、プリンシプル取締役副社長兼人事部長の木田 和廣がインタビュー。達人を目指す人たちに向けてメッセージを橋渡しする連載です。第1回目は、名古屋を拠点にフリーランスとして活躍されている運営堂 森野さんです。

木田:現在、大切にしていることや、習慣にしていることはありますか。

森野:習慣として絶対に決まっているのは、「ニュースや記事のチェックをして、読んでメルマガにまとめる」というのが、日常生活より、家族の旅行より、最優先です。これを基準として生活がまわっています。

朝起きてすぐニュースとかを見るんですね。仕事を始めてしまってからニュースチェックするのって、ものすごく大変なんですよ。 何か、重たい仕事が残っている感じになるんです。午前10時を過ぎるとメールなどが入ってきてしまうので、「朝に全部やる」って決まっていますね。これは、二日酔いだろうが、風邪をひこうが変わらないです。

木田:何時に起きているんですか。

森野:6時くらいには起きていますね。それでも8時間睡眠はとるようにしています。 夜更かしして、朝メルマガの作業をやると集中力かけて、良くないんですよ。
ずらっとRSSで見ているんですが、重要な情報のひっかかりが悪くどんどん過ぎていってしまうんです。頭がフレッシュじゃないとひっかからないですね。

木田:やはり、重要な情報は、パッとわかる感じですか。

森野:見ていると、ある特定の単語がズバッと目に止まるんですよね。

木田:記事を選ぶときに、ボール球を打たないぞとか、このピッチャ―は直球を打とうとか、RSS見てるときのこだわりってありますか。

森野:一番気を付けているのは、怪しいサイトの記事は絶対に載せないことにしています。バズるような記事があっても、読んだ瞬間はいいかもしれないですけど、何にも残らないときがあるので、自分の基準では選ばないですね。

著者もしっかり見るようにしてますので、一度でも怪しい感じの記事やだますような記事を書いた人は載せない、といったフィルターはもうできていますね。
仕事に関しては、本当にメルマガ基準です。

木田:Webサイトもつくってきて、Googleアナリティクスもやって、大学講師もやられていて、ソーシャル畑出身でもないし、あのメルマガにある全ジャンルを網羅して選べるのはすごいなと思います。

森野:現在のジャンル数は10コで、要チェック、SEO、リスティング広告、アクセス解析、ソーシャルメディア、スマホ・タブレット、EC、Webマーケティング全般、AI関連、その他です。最初は少なかったんですよ。

「EC関連」は、ネットショップ担当者フォーラムで毎週ECまとめをやっているんですが、開始されるまでに時間があったのとECにあまり詳しくなかったので、まずジャンルをつくって、「ECサイト」や「EC」っていうメディアっぽい、人っぽいのを全部ひたすら見ていった感じですね。

木田:専門家になってから書くのは間に合わないから、ECサイトジャンルをまずつくって、記事をためていき、急速に知見を身に着けていったということですね。

森野:準備できたらやろうっていうのじゃ、できないんで、やるための準備をいつやるかだけです。
最近は、「スポーツ」ジャンルをつくりました。自分の興味からつくったんですね。 スポーツ関連はJリーグ含めいろいろ見てます。課題感ある業界でやりがいはありそうですが、難しいです。

木田:J2徳島ヴォルティスへの関心があるそうですね(※2021シーズンからJ1に昇格)。

森野:地方は、確固たる信念があって面白いです。そういうところに行こうかなとは思っています。
いろんなスポーツの戦術を勉強すると共通項が出てきて、組織の作り方と基本同じなんですよね。共通するものと共通しないものを見るために、いろんなスポーツを見るようにしています。

木田:サッカーとバスケットボールの共通項はありますか。

森野:最終的にゴールするかどうかですが、いかにして、ノーマークをつくってゴールに近づくかなんですよね。
ゴールに入るかどうかは、選手のスキル次第。営業さんがお客さんに行って話すことは、会社からコントロールできないし、わからないので、そこまでを会社としてどう準備するかが大事ですよね。サッカーでよく言われる「残り1/3(相手ゴール近く)」に関しては選手に任せるのと似ています。

木田:森野さんのこれから先、将来についてお聞きしたいですね。

森野:将来にあんまり夢はなかったりするんですよね(笑)
フリーでやっていると、10年後自分には何の価値が残るんだろうって、経験値なのか、スキルなのか考えます。

木田:僕は50歳過ぎているので、もう先は考えていますね。どこで何で食べていこうって考えています。

森野:徳島へ行ったら、楽しかったんですよ。徳島ヴォルティスのサポーターのみなさんと話したら、いい人が多くて良かったんですよね。徳島で何か仕事ができないか考えています。サッカーを見ながら、ちょいちょい東京にも行ったりしながら、自分ができることがあるんじゃないかな、とここ1、2年考えています。

木田:最後に、就活、転職活動している人たちへのメッセージをお願いします。

森野:「悩んだら、やれ」ですね。選ぶのに悩むほど時間の無駄なことはないです。サイコロころがしてでもやることを決めたら、自然と次は見えてきます。 知らずに成長していますよ。今の会社にいて、成長するのかな、と悩んでいるなら、何か別のことを選択してみる。停滞が一番良くないです。

木田:ゼロからスタートじゃない、次は5からスタートになるかもしれないですからね。

森野:できない理由を考えるより、できる理由を考えた方がいいですね。 そして、何より準備が大切です。準備できていない人が多いと思います。 いつ何が来てもいいように準備をする。そうじゃないとチャンスはつかめないですから。

歴史でもそうですね。戦争の歴史をよく調べるんですが、戦争で勝つというのは、勝敗を決するタイミングに自分の戦力をどれだけ突っ込めるかなんです。
全体の大小じゃなくて、肝のところにどれだけ突っ込めるかです。自分自身も、ここっていうところに、どれだけ自分の集中力と時間を割けるかを意識してやっています。瞬発的に一気にやっちゃいます。ナポレオンやハンニバルがそんな感じですね。常に準備してチャンスに備えることが大事です。

経歴

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。尊敬する人はゴルゴ13。愛知大学非常勤講師。

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UI/UXデザイナー。新卒からインハウスWebデザイナーとして8年間活動。プリンシプルでは広告向けの制作全般、定性調査、UX改善提案を担当。

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株式会社デジタルラグーン 代表取締役。プリンシプル広告チームマネージャーを経て2021年より現職。大手流通企業へのWeb広告・Googleアナリティクスコンサルティング及び、クライアント先常駐経験を持つ。