プリンシプルお仕事図鑑
「広告コンサルタント」

新卒採用

2021年09月7日

by 木田和廣・チーフ・エバンジェリスト

プリンシプルお仕事図鑑<br>「広告コンサルタント」

プリンシプルでの「お仕事」を紹介する『プリンシプルお仕事図鑑』。第五回目は「広告コンサルタント」です。

【仕事内容】

クライアント企業にご発注いただいた「Web広告で成果を出したい」というご依頼に対して、以下の知識やスキルを生かして応える。そんな仕事です。

  • 「クライアント企業にとっての顧客」がクライアント企業が提供する商品やサービスから得る(ことを期待している)ベネフィットの理解
  • 「クライアント企業にとっての顧客」の状況別の心理や行動の推測
  • Web広告プラットフォームの特性と仕様についての知識と設定のスキル
  • 広告パフォーマンスの分析力と改善策を出すアイデアとイマジネーション
  • 上記すべてを組み合わせてクライアント企業に説明するコミュニケーション力

ここで「広告」と呼んでいるのはいわゆる運用型広告で、具体的にはGoogle広告、Yahoo!広告、Facebook広告、LinkedIn広告などを指します。Google、Yahoo、Facebook、LinkedInは、一般の方にはそれぞれ、検索エンジン、ポータルサイト、SNS、ビジネス向けSNSと認識していると思いますが、Web広告コンサルタントにとっては、広告プラットフォーム(単純に”媒体”と呼ぶ場合があります)です。

クライアント企業は時に、少なくない金額を広告に充て、その運用と改善をプリンシプルに委託していただきます。つまり、プリンシプルや、そこで働く広告コンサルタントを信頼して発注していただく訳です。その信頼に対し、知識とスキルを総動員して期待通りの成果をお返しする。という仕事でもあります。

【仕事上の喜び】

Web広告はマス広告(TVCMなど)、屋外広告(看板やディスプレイなど)、交通広告(中吊り広告等)などと違い「成果が正確に可視化される」性質があります。そのため、パフォーマンスが期待通りに出ていないときには精神的にしんどい面がありますが、自分の狙ったとおりの運用で成果が出た時、非常に大きな喜びを感じることができます。

狙ったとおりの運用というのは、「自身で立案した仮説」に基づく運用。と言い換えることができます。例えば、以下のような仮説を指します。

  • 「クライアント企業の顧客」がよく利用する”媒体”はAではなく、Bなのではないか?という仮説
  • 「クライアント企業の顧客」は、ある状況においては、このようなキーワードで検索するのではないか?といった仮説
  • コンバージョン(購入やお申込み)を行う可能性の高い「クライアント企業の顧客」を効率よくターゲティングするには、媒体が用意する「●●ターゲティング(*)」や「●●入札戦略(*)」を利用すると良いのではないか?という仮説

いずれも、仕事内容のところで説明した知識や想像力を総動員して立案する仮説だと言えます。だからこそ、その仮説が正しく、成果があがったときに大きな喜びを感じるのです。 成果がでれば、もちろん、クライアント企業にも喜んで頂けます。

【求められる知識・スキル】

どんな仕事でも「アート」と「サイエンス」の両方が求められますが、広告コンサルタントほどその2つをバランスよく持つことが求められる仕事はありません。

アート面では「クライアント企業の顧客の心理や行動」を想像するスキルがあげられます。誰も、「クライアント企業の顧客は、こんな気持でいて、こういう行動をするよ」とは教えてくれません。ですので、コンサルタント自身がそれらをビビッドに想像する必要があります。

サイエンス面では、徹底的な定量分析のスキルが求められます。以下は、広告コンサルタントが気にするべき主要な指標です。種類数もまあまあありますが、指標同士にトレードオフが成り立つものもあります。それらの指標をウォッチし、分析することでより成果が上がる広告運用を突き詰める必要があるのです。

  • Impression
  • Click
  • Cost
  • CPC (Cost per Click)
  • CTR (Click Through Rate)
  • CV (Conversion)
  • CVR (Conversion Rate)
  • CPA (Cost per Action / Cost per Acquisition)

また、実際に広告運用を行う上で、広告プラットフォームの管理画面で広告を入稿したり、ターゲティングや戦略を選択する操作をできることも必須スキルとなります。

【キャリアパス】

広告コンサルタントのキャリアパスは、以下の3つがあります。

  1. 経験を積み、より広範な広告プラットフォームの仕様をマスターしまくって、Web広告のプロ、この人に任せればどんな難易度の高い目標もクリアしてくれるのではないか?と思ってもらえるコンサルタントになる道があります。

  2. 広告コンサルタントとしての「クライアント企業の顧客の心理や行動を想像する力」が十分に高まれば、総合的なデジタルマーケティングの設計や運用ができるようになります。SEOやWeb解析のスキルを追加で身につけて、総合的なデジタルマーケティングコンサルタントになる道があります。

  3. プリンシプルではマネージャーになるのに、必ずしも特定分野における専門知識は求めていませんが、それでも、Web広告についての広範な知識、確固たるスキル、余人では追いつけない経験を身につけると、もっとも頼りになるWeb広告チームのマネージャーとして活躍する道が開けます。

  4. Web広告コンサルタントのスキルセットを持つ人材の数は限られている反面、人材ニーズはとても高く、「引く手あまた」な状況になっています。キャリアの選択肢の一つとして検討する価値のある職種といえるでしょう。


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木田和廣

早稲田大学政治経済学部卒。 データ解析チーフ・エバンジェリスト。GAおよびTableau書籍を上梓。

by 木田和廣・チーフ・エバンジェリスト