こんにちは。プリンシプル People Divisionの有馬です。
社内研修制度「プリンシプル大学」にて、ビジネスマナー講座を担当しています。 2020年3月から、9割の社員がリモートワークとなり、社内・社外の会議は全てオンラインに切り替わりました。そこで、対面を前提としていたビジネスマナーもオンライン状況で意識すべき内容に変わってきました。
オンラインコミュニケーションで気をつけたいマナーポイントをご紹介します。
「7-38-55のルール(メラビアンの法則)」
コミュニケーションでは、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合で伝達されると言われています。
この割合から「7-38-55のルール(メラビアンの法則)」または、「言語情報(Verbal)」「聴覚情報(Vocal)」「視覚情報(Visual)」の頭文字を取って「3Vの法則」と呼ばれています。
- 視覚情報 55% 話し手の表情や目線、態度、仕草、見た目
- 聴覚情報 38% 声の質、大きさ、話すスピード、口調
- 言語情報 7% 言葉そのものの意味、話す内容
このように93%が言葉以外のところで相手にメッセージとして受けとられることを意識すると、画面越しのオンライン会議でも、気をつけるポイントが見えてきます。
表情・目線
まず、表情を意識する前に、姿勢を整えることが大切です。正しい姿勢は、良い表情、声、話し方につながります。背筋を伸ばし(IT肩で猫背になっていませんか?)椅子に座り直してみるといいでしょう。
- 口角を少し上げる
- 顎を上すぎず、下げすぎない
- 目を相手と合わせる
目線はカメラをオン・オフにするかルール決めが必要です。
基本的にカメラはオンにすることを推奨します。対面で話しているときに、目線を合わせない人についてどう感じますか? オンラインでも同じですね。
信頼、安心感、説得力が増し、良い印象を与えます。 カメラを正面からずらして、やや横・斜め・上から映す人もいますが、そっぽを向きながら話されている/聞かれているという印象を与えます。
聞くことがメインの会議では、回線環境によりカメラをオフにする方が良いという場合もあります。しかし、ビジネスマナーという視点からはカメラをオンにして表情を映す方が良いと考えます。
カメラをオンにして、「聞いています」という非言語でのメッセージとして、あいづちを打ったり、うなずく、笑うというリアクションを発信することで、コミュニケーションの質が上がり、相手の記憶に残ります。
リアクション
上述のとおり、「あいづちやうなずき」は話し手にとって話しやすくなります。その他、プリンシプルの全社会議では、チャット機能を使い、「コメントによる反応」を社員が積極的にしています。 Zoomであれば、リアクション絵文字も有効です。話を遮ることをせず、拍手やいいねの絵文字が多く出ることで、受け身になりがちな多人数の会議でも能動的に参加できます。
話し手が、「スライド見えていますか?」「声は聞こえていますか?」と確認を問いかけるときは、素早く「見えています」「聞こえています」と応えてあげるとスッと気持ち良く始められます。
話すスピード、話し方
「7-38-55のルール」の聴覚情報 38%、視覚情報 55%からも、 聞き手は、パソコン画面を見続けながら(視覚情報)、話を聴く(聴覚情報)という状況です。よって、話し手は、適度な速さで、間をとりながら話すと、聞き手が受け取りやすくなります。
アナウンサーのように、滑舌に気をつけて、口を大きく動かすイメージで発話をすると伝わりやすくなり、相手を配慮したマナーある話し方になります。
カメラに目線を合わせて、身振り手振りを入れても良いでしょう。ただ、身体があまり動きすぎると気が散るので気をつけましょう。
機材・環境を整える
オンライン会議では、機材・場所の環境を事前に整えてから参加することが大切です。 会議が始まってからの機材・環境調整は、参加者全員の「時間」というコストの無駄遣いです。
【機材】
- マイク・・・パソコンのマイクに限らず、マイク付きのヘッドセットや外付けマイクを接続して使うと音声がよりクリアになります
- カメラ・・・外付けカメラの場合でも正面に設置します
- ライト・・・顔に明るい照明をあてることで表情の印象が良くなります
- 背景・・・ビデオ会議ツールの壁紙や背景をぼかす設定をすることで、話に集中しやすくなります
【環境】
騒音が会議中に入らないように、できることは対策しておきましょう。
- ドアや窓を閉める
- スマホをマナーモードにする
- 宅配便は勤務時間以外での受け取り指定にする
オンライン会議において、テキストや言葉による言語情報以上に、声のトーン、声の出し方や間の取り方、表情などの対応がより重要になります。
相手に良い印象を与え、コミュニケーションの質が高まることで、結果としてパフォーマンスの向上につながります。一人ひとりがオンラインビジネスマナーを意識すれば組織全体のパフォーマンスに良い影響が出るだけでなく、お互いが気持ちよく働ける職場(オンラインの働く場所)になっていくでしょう。